忘年会シーズン、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている。制限が緩和され、 多くの人が「かつての日常」を取り戻しつつある一方で、しわ寄せを受けている人たちがいる。医療逼迫にあえぐ医療従事者はいうまでもない。しかし今回は子供たち、特に中高生に目を向けたい。
中高生のコロナ禍は終わっていない。しだいに緩和されてきてはいるが、学校ではさまざまな活動が制限されている。学級閉鎖が相次ぎ、突発的なオンライン授業やマスクで友人と顔を合わせる日々が続く。
先日発表された流行語大賞のなかに、甲子園で優勝した仙台育英高校野球部監督の言葉がある。「青春って、すごく密なので」という言葉は多くの人の共感を呼んだ。 「密」な青春を我慢してきた子供たちがいる。
また、毎日新聞の記事にこんなものがあった。「居酒屋との矛盾説明できますか?子供の9割『黙食やめて』」。子供たちのコミュニケーションの場である給食は、黙って食べることが求められている。この状況に子供は違和感を感じている。居酒屋の賑わいを見れば、当然のことだろう。
さて、政府は「第8波」への対策として、自治体ごとに発出する「対策強化宣言」「医療非常事態宣言」を設けた。しかしこれは法的拘束力があるものではない。人によって受け止め方にばらつきが出て、誰かがしわ寄せを受けることにならないか。とはいえ、「ウィズコロナ」を転換し、強制力を伴う制限を設けるのは現実的ではない。この冬に大切なのは、一人一人の心がけと想像力だろう。ときには飲み会を控え、人混みを避けることも考えたい。感染拡大の状況と身近な人の健康を気遣い、配慮ある行動を心がけるべきだろう。
今年はコロナ禍となった2020年に入学した中高生が、3年生となった年だ。彼らはいよいよ入試を迎え、卒業を迎える。最大限「密」な青春をおくれるよう、大人が責任ある行動を心がけていきたい。 (Y.K)
コメント