札幌市と少子化問題

岸田首相が年頭会見で打ち出した「異次元の少子化対策」。安倍元首相が少子高齢化を 「国難」として衆議院を解散したのが2017年。「異次元」「国難」など大仰しい言葉よりも、普通に実のある対策をして欲しい、との声が多く聞こえます。


2017年OECD各国のGDPに占める子ども・子育て支援に対する公的支出の割合の平均は 2.34%に対し、日本は1.79%とフランス3.6%の半分しかありません。フランスは政策対応で支出を増やしたことによって、出生率も引き上がり、公的支出の高さが出生率にも影響を及ぼすことがわかっています。東大大学院の山口慎太郎教授は「公的支出は3%以上必要。 子ども政策は消費ではなく投資。子ども政策に使えるお金を増やし、それをいかに有効に使うかが重要になる」と指摘しています(東京新聞WEB)。


2021年の都道府県別合計特殊出生率(15-49歳までの全女性の年齢別出生率)は日本全体が1.37に対し、北海道は1.19と東京に次ぐワースト2位。また、北海道新聞によると、1月1日現在の札幌市の人口は2年連続減少し、人口減少局面に入ったことが鮮明になりました。少子高齢化が進んだことと、道内他地域からの転入が減少したこと、札幌市の地価高騰による近隣市町村への転出が要因とみられます。一方、道外や外国人留学生などの転入は増加しています。実際身近でも、道外や道内他都市の富裕層が札幌に別宅を構えているのを見聞きしており、新たな札幌の在り方が問われている状況かもしれません。


442号の特集は「幸せ呼ぶ、子育て支援」です。前述した山口教授の分析が掲載されています。とても分かりやすく興味深いのでお勧めです。 表紙は編み物男子英国高飛び込み競技選手のトム・デイリー。彼は同性パートナーと子どもを育てていますが、このような多様な家庭が受け入れられる社会になれば少子化も歯止めがかかるかもしれません。 442号他バックナンバーはお気軽に販売者へお問合せください★

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